「なんとかなろう」と今日も削る

濵﨑彩智(はまさきあやみ)さん

はじめてお会いした時、優しそうな雰囲気に思わずほっとし、ふわっとした空気感をまとった濵﨑さん。
話を聞き始めると、そのイメージがまさに!想像を上回る。

沖縄への衝動的な移住、危険と隣り合わせの木工機械との格闘、須崎の端っこに構えた自分だけの工房 。濵﨑さんの歩みは、その佇まいとは真逆の、なんとも豪快な連続だった。

「なんとかなるろう」と言いながら、気づけば自分の店舗を持てるまでに。
そんな濵﨑さんのストーリーをご紹介します。


目次

1.実技だけは誰にも負けなかった

勉強は「どうしようもなく」苦手だったと、濵﨑さんは笑いながら振り返ります。
でも、体育や技術などの実技教科になると話は別でした。
手を動かすことへの自信は、子どもの頃からずっとそこにあった。

そんな濵﨑さんが高知工業高校のインテリア科へ進み、ものづくりの世界に本格的に入っていきます。
さらに京都伝統工芸大学校の木工専攻科では、カンナやノミを使って、ねじを一本も使わない
「指物」という伝統技術と向き合いました。
1年かけて大きな作品を仕上げるその体験が、濵﨑さんの中に静かに、でも確実に根を張っていきました。


2.「綺麗な海が見たい」それだけで沖縄へ

専門学校を卒業後、しばらく木工から離れた生活を送っていた20代前半のある日。
濵﨑さんは友人3人と沖縄県へ移住します。

理由は、「綺麗な海を毎日見たい」。それだけです。

「軽いノリだったんですけどね(笑)」

このふわっとした見た目の方が、いきなり移住?しかも沖縄?って驚きです。
好奇心と行動力から濱崎さんの優しい雰囲気の中にも力強さを感じました。


3.ピンチが連れてきた、運命の木工

ところが、沖縄での仕事探しは思うようにいきません。慎重になりすぎた濵﨑さんだけ半年間無職のまま。
楽しかったバカンス気分もしぼみはじめ、いよいよ貯金の底が見えてきたそのとき 、
たまたま見つけたのが、木工の求人でした。

「もう何でもいいから仕事しないと、というタイミングで出会えたんです。運命やなって思いました」

ここからが、またびっくりです。

木工機械は、一瞬の気の緩みが大怪我に直結する世界。
それでも濵﨑さんは怯まず、「どうなると危険か」を教わりながら機械の扱いをひとつひとつ身につけていきました。店舗什器、木製キッチン、建具の製作、内装工事の現場作業まで。あの穏やかな佇まいで、です。

専門学校では習えなかったスピードと技術が、沖縄の現場で濵﨑さんの職人としての骨格を
つくっていきました。

. 浦ノ内湾のそばで、「なんとかなるろう」と今日も削る

今、濵﨑さんの工房は須崎市の端で市街地から30分近くかかる、ギリギリ須崎市というくらいの場所にあります。
それでも少しずつ認知が広がり、地元の方々からオーダーが届くようになってきました。

「お客様の要望に応えるだけじゃなくて、想像を上回る提案ができるようにって、いつも心がけています」

最近は木工仲間とのつながりも広がり、自分ではできない加工を頼み合ったり、
情報交換したり。一人の工房から、少しずつ可能性が広がっています。

工房のそばには、山に囲まれた静かな浦ノ内湾。海を見慣れていても、毎日癒されると濵﨑さんは言います。
あたたかいご近所さんにも恵まれ、「須崎が好きな場所になることは間違いない」と、穏やかに笑います。

夢は、もっと大きな工房で、家具や大型の什器を自信を持って届けること。

「ピンチの時も、辛い時も、決断ミスったかなって思う時も。
それでも結果、なんとかなってきた。これからも『なんとかなるろう』って感じでやっていきます!

あのぽわっとした笑顔で、そう言い切る濵﨑さん。きっとこれからも、周りの予想をいい意味で裏切りながら、
着々と進んでいくのだと思います。


濵﨑彩智(はまさきあやみ)さん
 活動名(屋号):Olika(オリカ)
 活動内容:木工製作(オーダーメイド対応)
 拠点:高知県須崎市(浦ノ内湾エリア)
 作品の特徴:伝統的な指物技術から木工機械まで、幅広い技術で手掛けるオーダー家具・什器



是非遊びに行かれてみてください♡

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